右手首、折っちゃった!
    協力会員:松本さん

 66歳の誕生日を1週間後に控えたある朝、趣味でやっている畑へ行きました。つるの伸びきった先のいんげんを収穫するのに手がとどかず、際に置いてあったビールの空ケースを少しでも高くしようと横にして上ってしまいました。バンザイの形をして両手を伸ばした途端にバランスを崩してベタッと地にたたきつけられました。「しまった!」と思ったが遅かった。乗って行った自転車のハンドルも握れず、肘で押さえ、左手を使い引っ張ってようやく帰宅し、即お医者さんへ直行。レントゲンを撮り、あっという間にくるくると肘までギブスをはめられ、「つながるのに1ヶ月、その後リハビリに1〜2ヶ月かかりますよー」との先生の言葉に頭の中は真っ白!明日からの仕事をどうしよう?即、事務所へ電話する。おかげさまでピンチヒッターを立ててもらってホッとしました。
 仕事はできないし、急ぐ必要もないから家事も1日がかりでやればいいや、とは思ったものの、やる事為す事左手しか使えないもので普段の4〜5倍の時間がかかり、それが疲れになり、ヘトヘトの気分。何がやれないかと言うと、ひねる動作がまったくダメ!ガスの点火、水道蛇口の開閉、まぁこれは左手でOK。1番の難行がタオル、雑巾の絞り、そこで大活躍したのが以前、孫が使い残しておいた「お尻拭き」テーブルの上、台所やガス台の汚れをサッと拭き取りポッと捨てる、大変に役立ちました。今まで年に1〜2度の風邪位で、健康については過信気味。これからは自分の年も考えなくてはー。
「松本さん、期限付きのヘルパーを頼んだら?」とは、友達の名言でした。1ヶ月経ち ようやくギブスもはずれ、これでようやく何でも出来るかな?と思ったものの、これが素人の浅はかさと言うものでしょうか?使う度にビッビービッビーと電気が走る様に痛むのです。「どこが何が痛むのでしょうか?」と先生に尋ねました。骨のつながるのを待って一ヶ月も動かさずにいたので筋の伸縮が効かなくなり、その痛みに耐えて伸び縮みのリハビリをしないと元通りにはならないとの事。
  ギブスをはめて1ヶ月、リハビリに1ヶ月、ようやく車や自転車にも乗れて、ヘルパーの仕事も徐々に入れてもらい、少しづつ元通りの張りのある生活に戻る事が出来て、お世話になった皆様に感謝・感謝です。朝起きて着替えをする、両手で顔を洗う、化粧水でぺたぺたと顔をたたく、ヘアーブラシを使う等等、怪我をしてからは出来なかった事柄が、以前の様に何気なく出来ることに感動の毎日でした。それにしては余りにも大きい代償ではありました。健康であることの有難味を再認識して人生を送りたいと思っています。


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